■刑務所の「中と外」は同じ

 アルバニア人のアンブラ受刑者は、男性受刑者たちが彼女のフレンドリーな態度を「ナンパされたがっている」と勘違いしているように感じることがあるという。このため距離は取っていると話す。

 依存症と闘う人々を支援するNGOエルゲテ(Erguete)のカウンセラーで、受刑者も担当しているアナ・スアレス氏は「性差別的な行動は、刑務所の中でも外でもある」と述べた。テイシェイロ刑務所では、男性受刑者に「男らしさの解体」に関するワークショップを開催している。

 同刑務所によると、混合棟で「深刻な事件」が起きたことはなく、収容を望む受刑者は「非常に多い」という。

 スペイン以外の欧州諸国では、男女混合棟は一般的ではない。

 例えば隣国フランスでは2009年以降、同じ刑務所への男女の収監は認められているが、特定の活動以外で男女が空間を共有する刑務所はない。

 アンブラ受刑者は「男女を一緒に収容するのはとてもいい考えだと思う。刑務所の外の生活はそうなのだから」と語った。(c)AFP/Thomas PERROTEAU