【12月5日 AFP】ウクライナの環境保護・天然資源省のビクトリヤ・キレエワ(Viktoria Kireyeva)次官は4日、昨年2月のロシアによる侵攻以降の二酸化炭素(CO2)排出量が約1億5000万トンに上るとの専門家の報告を発表した。

 キレエワ氏は、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで開催されている国連(UN)気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の関連会合で、紛争によってウクライナの「大気、土壌、水が汚染されている」と指摘。

「18か月に及ぶ紛争による二酸化炭素の総排出量は推定1億5000万トンで、ベルギーなど先進国の年間排出量を上回る」と述べた。

 ウクライナ紛争の気候への影響を調査している専門家グループの一人は、紛争そのものが排出量の25%を占め、大半はロシア軍とウクライナ軍による化石燃料の消費が要因だとしている。

 前線沿いで多発する火災は15%を占める。また、難民の移動や、航空機がウクライナを迂回(うかい)することによるCO2排出量も含まれる。

 しかし推定排出量の最大の割合を占めるのは、紛争で破壊された町・都市の再建に掛かる気候変動コストで、推定で全体の約30%に相当する5470万トンに上る。

 キレエワ氏は、ウクライナは「復興するが、CO2排出量も相当なものになる」とし、ロシアがその「責任」を負うべきだと主張した。(c)AFP