【11月29日 CGTN Japanese】中国北方の山西省にある雲崗石窟研究院によると、今月28日から、雲崗石窟の第6窟(釈迦仏洞)を一時閉鎖して石窟保護の調査や映像採集作業がおこなわれるため、一般公開が一時中止となりました。関連作業を終えてから公開を再開するということです。

 雲崗石窟は山西省大同市にあり、中国で規模が最も大きな古代石窟群の一つです。今から1500年前の北魏和平年間(460~465年)に造営が始まり、2001年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

 雲崗石窟の第6窟は中心柱洞で、中央には洞窟の頂上を結ぶ高さ14.4メートルの2階建ての正方形の塔柱があります。雲崗石窟の中で最も規模が大きく、最も内容が豊富で、最も彫刻が精緻な石窟として、「雲崗第一の偉観」とも呼ばれています。また、大まかな統計によると、第6窟の各種仏像は2900体を超えるということです。

 第6窟の中心洞窟は正方形に近く、幅、奥行きは約13メートルで、中央には壮大な方形の塔柱が聳え立っています。2階建ての塔柱の各階・各面には、仏像を伴う仏龕が施されています。中国の石窟美術の中で、雲崗石窟の第6窟の仏教説話は最も豊富なものとみられています。

 そして、第6窟の中心塔柱の下層部の四つの面と、洞窟の四つの壁には33枚のレリーフが保存されています。釈迦牟尼の誕生から成道までの仏教の物語が彫刻で再現され、中国石窟美術の逸品として名高く、現存している最も古い宗教関連の「石刻連環画(絵物語)」と言われます。

 さらに、中心塔柱の南側の下層部にある仏龕には、龍紋が施された袈裟を身にまとう1体の泥塑仏像が座っています。これは雲崗石窟の中で唯一龍紋の衣装を着た仏像であり、表面がしっかりしていて、衣装の裾模様が生き生きと細かく再現されており、趣向を凝らした衣装に素朴な色合いで、今から約1000年前の遼と金の時代の作品だと考古学者から推測されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News