【11月29日 東方新報】太原鋼鉄集団(TISCO)は燃料電池に使用できる材料を開発し、量産を実現した。中国科技日報の11月27日の報道によると、この成果は国内の需給ギャップを埋め、重要な戦略的材料のボトルネックを解決するもので、中国の技術の大きな進歩を意味する。

 超高純度フェライト系ステンレス鋼TFC22-Xとして知られるこの材料は、国内の大手燃料電池会社に大量に納入され、新エネルギー分野における重要な戦略材料の国内デビューを飾った。この画期的な成果は、燃料電池産業が直面するボトルネックに対処するものであると、同社は公式サイトで発表した。

 研究チームは、特定の元素を高精度で制御する方法を発見し、大きな障害を克服した。研究チームはまた、高品質のステンレス鋼の製造に関する問題も解決した。

 金属組織の変形システムと加熱・冷却技術を開発し、靭性(じんせい)の制御を強化した。これにより、高クロムフェライト系ステンレス鋼の安定生産が可能になり、熱処理や各種製品の酸洗に関する技術的課題が解決された。

 中国科技日報によると、中国の燃料電池産業はまだ初期段階にあり、燃料電池スタック(平板状の電池を積層させた構造体)の材料は、最も重要な戦略的材料の一つだという。

 このブレークスルーは、技術的自立を達成し、ボトルネックの課題克服の突破口を開くための研究・技術革新を強化している中国の努力を象徴するものとなった。

 国家統計局、科学技術部、財政部は今年9月、中国の研究開発資金が2022年に初めて3兆元(約62兆1900億円)を超え、前年比10.1パーセント増となったと発表している。(c)東方新報/AFPBB News