【11月29日 AFP】フランス当局は28日、物議を醸しているヨガグループの強制捜査を実施し、指導者のグレゴリアン・ビボラル(Gregorian Bivolaru)容疑者(71)ら41人を逮捕した。関係者がAFPに明らかにした。

 ヨガグループ「絶対的なものへの精神的統合運動(MISA)」をめぐっては、パリの検察が今年7月、拉致やレイプ、人身売買などの疑いで捜査に乗り出していた。

 同グループは、複数のヨガスクールと関連事業を運営。公式ウェブサイトは、「ルーマニアのみならず欧州最大のヨガスクール」で、ビボラル容疑者については「スピリチュアルなメンター」だと説明している。ルーマニア国外に進出後はATMANとして知られていた。

 ルーマニアとスウェーデンの国籍を持つビボラル容疑者の下で、同グループは数々の虐待を繰り返していたとされ、数年前から両国とフランスの司法当局の捜査対象になっていた。

 司法筋によると、今回の強制捜査は仏人権団体「ヒューマンライツ・リーグ(Human Rights League)」がMISAの元メンバー12人から証言を得て、検察当局に連絡したことがきっかけとなった。

 関係者によれば、強制捜査で女性26人が解放された。一部は強制的に拘束され、狭い場所に押し込められ、衛生的にも「悲惨な状況」に置かれていた。

 同グループでは女性メンバーは指導者との性的関係を受け入れ、「国内外で有料のポルノ行為への参加」に応じるよう奨励されていたという。

 司法筋によると、MISAは2008年、国際ヨガ連盟(International Yoga Federation)と欧州ヨガアライアンス(European Yoga Alliance)から「違法行為」を理由に除名されている。(c)AFP/Tiphaine LE LIBOUX, Guillaume DAUDIN and Jurgen HECKER