【11⽉16⽇ Peopleʼs Daily】浙江自由貿易試験区が中国の第3期自由貿易試験区の一つとして設立されたのは2017年4月1日だった。2022年時点で同自貿試験区は、面積が浙江省(Zhejiang)全体の400分の1弱で、新規登記企業の6.5%、税収の9.2%、貿易額の20.6%、外資の実質利用の18.1%に貢献した。

 浙江自貿試験区では、試験区全体の中枢エリアである寧波(Ningbo)エリアをはじめとする「4エリア構造」が形成された。

 金華市(Jinhua)と同市の一部である県級義烏市(Yiwu)から成る金義エリアの重要施設である義烏国際商貿城(義烏市場)は世界最大の日用品卸売市場で、210万種の商品が扱われている。義烏市場は零細企業210万社の発展を支え、3200万人の雇用を創出した。金義エリアは世界の40余りの越境ECプラットフォームと提携してデジタル貿易の支援システムを改善し続けている。義烏市場の公式サイトも開設された。

 同市場のデジタル貿易関係者は、「ここには7万5000軒の小店舗があります。かつては注文一つのために数十軒を回らねばなりませんでした。今では取引条件を照合するだけでオーケーです。その結果、取引量が大幅に向上した」と語った。

 中国と欧州を結ぶ貨物列車の「中欧班列」の中でも、金義エリアを出発する列車は「義新欧」と呼ばれる。「義新欧」は運行開始から9年間で、「中欧班列」の中でも運行路線が最も多く、積載効率が最も高い列車に成長した。金義エリアは海にも通じている。寧波舟山港から出航する船で、商品は世界各地に絶え間なく運ばれていく。2022年の寧波舟山港の貨物取扱量は12億6000万トンで、14年連続で世界1位だった。

 杭州(Hangzhou)エリアは率先してデジタル貿易の発展制度の枠組みを模索し、国際競争力を持つデジタル関連企業群を育成している。杭州の越境EC小売輸出プラットフォーム数は中国全体の3分の2で、越境ECの決済量は全国の4割を占めている。今年上半期、杭州のデジタルサービス貿易額は前年同期比で19.6%増加した。知識集約型サービス貿易がサービス貿易に占める割合は80%超で、いずれも全国平均を上回る。

 舟山(Zhoushan)エリアは、石油やガス分野に特化されている。浙江国際油ガス取引センターにある巨大なモニターには、各種石油製品の取引相場のほか「舟山価格」、すなわち舟山に停泊する低硫黄燃料油保税船の関連価格が表示されている。

 同センターの頼新(Lai Xin)会長によると、かつての中国国内市場は、石油ガス取り引きの価格決定の発言権が弱かったが、現在は「舟山価格」により同分野での人民元建て決済を推進し、中国の保税燃料油スポット価格の国際的な影響力が徐々に高まっているという。

 舟山エリア内には石油・ガス企業計1万2700社が集中している。石油ガスの取引額は過去6年にわたり年平均で64%の増加を続け、2022年には7761億2300万元(約16兆1555億円)に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News