【11月9日 AFP】国連(UN)は8日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部ガザ市(Gaza City)にあり、同地区最大の病院であるシファ(Al-Shifa)病院に同日、救急医療物資や薬が届けられたと発表した。ただし、必要量はずっと多いと警告した。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と世界保健機関(WHO)は「絶え間ない爆撃のため、職員や医療パートナーに多大なリスクがある中で」援助物資がシファ病院に届けられたとの共同声明を出した。

 一方で両機関は、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の紛争開始以降、こうした救命に必要な物資が同病院に搬入されたのは今回を入れてわずか2度だけだと強調。「歓迎されることとはいえ、届けた量はガザ地区の膨大な需要に対応する上で十分には程遠い」と訴えた。

 さらに、シファ病院では刻々と負傷者が増えるため、1床に患者2人がいる「悲惨」な状況が生じていると指摘。医師は廊下や床、屋外での治療を余儀なくされており、「薬や麻酔が底を突きつつあることから、患者は不必要な激しい痛みに耐えている」と警鐘を鳴らした。(c)AFP