【11月7日 CNS】広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)桂林市(Guilin)の荔浦市(Lipu)で人工栽培された荔浦芋は、400年以上もの歴史を持ち、その美味しさと栄養なことで広く知られている。現在、若者の力により荔浦芋の栽培技術のアップグレードが進み、関連産業チェーンも発展を続け、この歴史あるブランドの中国地理表示製品(GI)が新たな活力を見せている。

 今年の秋、80後(1980年代生まれ)の王仁生(Wang Rensheng)さんの荔浦芋基地では再び豊作を迎え、高品質の荔浦芋が粤港澳大湾区(広東<Guangdong>、香港、マカオベイエリア)に直接供給されることとなった。

 2019年、荔浦芋の栽培を始めた当初、王さんは常識を打ち破り、高投資・高収益の理念を堅持した。彼は農家の自給肥料の使用や病害虫の物理的防除、人工害虫退治や草取りなどを粘り強く続けてきた。総投資額は高くついたものの、質の向上も明らかになっている。

 通常とは異なる販売方法を活用する。王さんは芋チキン、芋ダック、芋白梗菜(青梗菜の白軸のもの)などといった「芋全席」を開発した。そして、桂林市のいくつかの高級ホテルやレストランのマネージャーを芋栽培園に招待して見学や試食を行った。この方法により、王さんは市内の30以上のホテルと協力関係を築いた。

 さらに、王さんは積極的にハイエンド・ミドルレンジの農産物分野の販売業者と連絡を取り、荔浦芋のオンライン販売を開始した。2021年には、彼の荔浦芋が全国20以上の省・市で販売された。

 90後(1990年代生まれ)の黄学科(Huang Xueke)さんは、荔浦芋扣肉(皮付きの豚ばら肉をトロトロに蒸す料理)の製作における無形文化遺産の第五代目の伝承者だ。

 近年、黄さんは荔浦芋扣肉にさらに多くの「新要素」を注入している。彼は荔浦芋扣肉を真空パックの完成品にし、全国各地の人々、特に若者がこの料理を手軽に味わえるようにした。現在、真空パックされた荔浦芋扣肉は、友人への贈り物や年越し用品として人気で、年間販売量は1万皿以上に達した。荔浦芋扣肉は東三省(遼寧省<Liaoning>、吉林省<Jilin>、黒竜江省<Heilongjiang>)と北京市といった遠方でも販売され、庶民の家に入っていくようになった。

 さらに、荔浦の若い起業家たちは荔浦芋文化研究会を設立し、芋チキンや芋ようかん入り月餅などは、新たに開発された美食や産業となった。

 荔浦市農業農村局の莫燕武(Mo Yanwu)局長は、80後と90後の参加が荔浦芋産業の革新的な発展に新たな動力と活力をもたらし、彼らが先進技術を導入し、産業発展思考を進化させ、産業チェーンを深化させ、荔浦芋の栽培、生産、販売、ブランドリニューアルをリードしているとみている。

 莫局長は、「田舎の振興は農業を理解し、田舎を愛し、市場を理解する若い『新農民』を求めており、より多くの若者が努力と知恵で『荔浦芋』という金字看板をますます輝かせることを期待している」と述べている。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News