【11月2日 AFP】「トランプ(前米大統領)のは小さ過ぎる」とプリントされたTシャツの商標登録をめぐり、連邦最高裁判所で1日、知的財産権と表現の自由の観点から口頭弁論が行われた。

 この表現は、2016年大統領選の共和党指名争いの際にマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(フロリダ州選出)が対抗馬のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏について「手が小さい」と発言したことがきっかけで生まれた。

 トランプ氏に「ちびマルコ」呼ばわりされていたことに反撃を試みたものだったが、トランプ氏は「手が小さいなら別のものも小さいだろう。私に関してはその問題はない」と、性的な連想を誘う表現で切り返した。

 カリフォルニア州の弁護士、スティーブ・エルスター氏は当時のルビオ氏の発言をもじって、「トランプのは小さ過ぎる」とのスローガンの商標登録を特許商標庁に申請した。しかし、スローガンの使用に当たってトランプ氏の同意書を得ていないとして、受理されなかった。

 これについて連邦高裁は、憲法修正第1条にうたわれている言論の自由を侵害すると判断。連邦政府はそれに対し、特許商標庁の決定はスローガンの使用を禁じるものではなく、知財関連法に準拠していない点が問題だとし、最高裁に上訴していた。

 この日の口頭弁論では、政府側の代理人が「エルスター氏はスローガンを商標登録できなくても、それをプリントしたTシャツを販売することは可能だ」と指摘。「トランプ」という表現の使用で独占権を取得することとは別問題との意見を述べた。

 最高裁はこの件について、来年6月末までに判断を示す見通し。(c)AFP