【10月29日 CNS】中国最大のコーヒーチェーン「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)」が中国を代表する酒造メーカー「貴州茅台酒(Kweichow Moutai)」とコラボした「醤香ラテ」が9月に発売され、入手が困難なほど人気となった。

 するとインターネットやスーパーマーケットで、同じ「醤香ラテ」と名付られけたコーヒーが次々と発売されるようになった。本家の醤香ラテは19.9元(約407円)に対し、インスタントの醤香ラテは20袋入り8.8元(約180円)で、1袋あたりわずか約0.4元(約8円)。醤油ラテ風味のシロップは1キロ32.9元(約674円)で販売されている。これらの製品の外箱は「純正品」と非常に類似している。

 商標法の観点から見ると、マオタイ酒など白酒(蒸留酒)の香りの種類を指す「醤香」と「ラテ(拿鉄)」という言葉はいずれも一般的に使われており、商標登録が難しい。商標局によると、「醤香ラテ」の商標登録出願は現在6件あるが、申請企業はいずれも瑞幸珈琲と貴州茅台酒と何ら関係なく、商標が登録される見込みはないという。

 中国では商標法のほかに不正競争防止法があり、事業者は他者の商品名、パッケージ、装飾などと同一または類似のロゴを使用してはならないと規定されている。当局は厳しい規制をしているが、テクノロジーの進歩を悪用し、模倣品は後を絶たない。

 模倣品を販売するのは中小企業や個人経営者が大半。自らの研究開発力やマーケティング力が弱く、手っ取り早く金もうけするため、平気で法的な一線を越えている。

 公正で健全な市場を確保して初めて、企業はイノベーションに集中し、優れた製品を発売することができる。消費者の意識が向上し、ブランドを最初に作った企業が評価され、それを模倣する業者が嘲笑されるような社会づくりが必要とされている。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News