【10月25日 CGTN Japanese】世界工学団体連盟(WFEO)は21日、上海に本部を置く中国の名門大学である復旦大学の情報科学および工程学院の林燕丹(Lin Yandan)教授に、2023年WFEO「工学分野の傑出した女性賞」を授賞すると、公式サイトを通じて発表しました。光環境人間工学理論の成果と航空機や列車、自動車分野での貢献が理由で、林燕丹教授は中国人として初、世界では5人目の同賞受賞者になりました。

 WFEOは国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の提案と支持の下で1968年に設立された、世界最大規模の関連の非政府組織(NGO)です。WFEOは毎年、重要な貢献をした女性1人を選出して表彰しています。

 林教授は今年45歳で、中国南部の広東省(Guangdong)潮汕地区の出身です。1995年に復旦大学光源および照明工学科に入学し、その後は修士課程と博士課程を修了しました。林教授は2005年に博士号を取得し、母校の復旦大学で教職に就きました。

 林教授は2008年から2013年にかけて、「大型旅客機のキャビン用ムードライトメカニズム研究」「大型旅客機コックピット照明の人間工学」などの重要な研究プロジェクトの責任者を務めました。林教授が率いるチームは大型旅客機の人間工学に基づくコックピットの安全な照明と乗客の快適さに基づく照明を探求しました。林教授は同分野を光環境の人間工学と呼び、「細分化された分野であり、心理学やコンピューター、光学と工学設計などの学際的研究を展開する必要がある」と説明しました。

 林教授は2008年から2010年にかけての2年間、十数キロもする情報収集用の機材を背負って、さまざまな型と航路の旅客機に搭乗して観察とテストを行い、さまざまな環境、さまざまなフェーズにおける操縦士の反応を詳しく記録しました。林教授のチームがまとめた最終成果は、鉄道車両メーカーである中国中車が米国に輸出したボストン地下鉄のオレンジラインとレッドライン、イスラエルのテルアビブLRTのレッドライン、米国のロサンゼルス地下鉄など多くの型式の輸出列車の、重要な車内スペースの研究開発と生産に応用されました。

 林教授の努力により、2012年には復旦大学電気光源研究所と中国照明学会交通運輸照明と光信号専門委員会の共催による中国国際自動車照明フォーラム(IFAL)が開催されました。同フォーラムは当初、大学と自動車照明産業の科学技術の成果についての交流会でしたが、十数年をかけて国内外と連携した先進的な自動車製造産業の先進技術の交流プラットフォームに発展したとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News