中国国連大使、安保理のパレスチナ・イスラエル関連決議案否決に「驚きと失望」
このニュースをシェア

【10月20日 Xinhua News】中国の張軍(Zhang Jun)国連常駐代表(国連大使)は18日、安全保障理事会でパレスチナ・イスラエル情勢に関する決議案が否決されたことに「驚きと失望」を表明した。
この日の安保理では、ブラジルが提出したパレスチナ・イスラエル情勢に関する決議案が12の理事国の賛成を得たが、米国が拒否権を行使したため否決された。
張氏は採決後の投票理由説明で次のように述べた。われわれは決議案が採択されなかったことに驚き、失望している。安保理は16日夜、ロシアが提出した決議案を採決した。ロシア案はパレスチナ・イスラエル衝突の人道的懸念に焦点を当て、即時停戦と民間人の保護を求めていた。多くのアラブ諸国が支持し、共同提案国となったが、一部の国は反対票を投じる選択をした。理由はブラジル案を基礎とし、合意形成にもう少し時間をかけたかったからだ。
中国は、ブラジル案には改善の余地があり、停戦を実現し、民間人を保護し、人道危機を回避するための強いシグナルを送るべきだと考えていた。そのため文言の修正を提案し、ロシアの修正案を支持した。ブラジル案は、全体として国際社会の普遍的な声を反映しており、停戦実現に向けた安保理の最初の一歩を体現していた。現在の状況下で安保理が合意に達することのできた唯一の文書でもあった。関係国は、口では「安保理は正しい行動を取るべきだと」強調しているが、これらの国の投票姿勢を見ると「安保理がいかなる行動をとることも望まず、問題の真の解決を望んでいない」のではないかと疑念を抱かずにいられない。
何があろうと、安保理が立ち止まっていることは許されない。ガザの状況はエスカレートしており、さらに多くの民間人が命を落とし、苦しんでいる。安保理は多くのアラブ諸国とパレスチナの人々の正当な訴えに耳を傾け、停戦と民間人保護、さらなる人道危機の回避に向け、確実に責任を果たし、役割を発揮しなければならない。(c)Xinhua News/AFPBB News