【10月18日 AFP】ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領が所属する左派・労働者党(PT)は16日、イスラエルが「ジェノサイド(集団殺害)」や「戦争犯罪」を行っていると非難する決議案を公表した。これを受け在ブラジル・イスラエル大使館は17日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)と同列視されるのは遺憾だと抗議した。

 決議案は「ハマスとイスラエルの双方が、民間人に対して容認し難い攻撃や殺人、拉致を行っている。そしてイスラエルは今この瞬間にも、さまざまな戦争犯罪を通じてガザ住民に対するジェノサイドを行っている」と糾弾している。

 イスラエル大使館はX(旧ツイッター)で「人権を擁護する政党が、テロ組織ハマスが家々を1軒ずつ回って家族を皆殺しにしている行為と、イスラエル政府による国民を守るための行為を同列に扱うのは、非常に残念だ」と述べた。

 これに対し労働者党は17日、イスラエル大使館の決議案の解釈には「誤り」と「悪意」があると反論した。

 さらに、イスラエルがガザの病院を攻撃し、少なくとも200人以上を殺害したと非難し、「こうした攻撃を行う政府に人権を語る道徳的な権限はない」と主張した。

 イスラエルは7日のハマスによる奇襲への報復として、ガザへの空爆を続ける一方、地上侵攻を警告。これまでの戦闘で数千人が死亡している。

 ルラ氏はガザから市民を退避させるべく、人道回廊の設置を呼び掛けている。(c)AFP