【10月17日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では、イスラエルの空爆による死者が増え続けている。病院の遺体安置所は満杯で、アイスクリーム配送用のトラックすら遺体の保管用に利用されている。

 ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)は今月7日にイスラエルを奇襲し、1400人以上を殺害した。イスラエルはガザ地区に報復攻撃を行い、少なくとも2750人が殺された。

 ガザ地区中部の病院の駐車場には、アイスクリームバーの画像でラッピングされた白いトラックが止められている。中には白い袋に入れられた遺体が詰まっている。

 タラアト・アブ・ラシネさんは、中に親族数人の遺体が保管されていると話した。

「夜明けごろ、自宅に砲弾二つが命中した。家には安心して眠っていた子ども8人を含む16人がいた」

 イスラエルが南部に退避するよう警告したことを受け、数万人が避難を始めたガザ市では多くの遺体が安置所に置き去りにされている。

 ハマスのメディア部門トップは、シファ(Shifa)病院に安置されている引き取り手のない殉教者(死者)の多さと遺体の状態の悪化、遺体が次々と運ばれてくることを踏まえ、「約100人を埋葬するための集団墓地を用意した」と話した。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長によると、遺体袋も不足している。

 ガザ地区南部ラファ(Rafah)の墓地で働く男性は、遺体が多すぎるため死者の「名前を書き記す時間もない」と語った。死者には子どもも多いという。子どもは「一つの墓に3、4人まとめて埋葬する」と付け加えた。

「毎日聞こえてくるのは、生き残ったのは誰かということと、絶望と喪失の話ばかりだ」

 イスラム教では遺体をできるだけ早く埋葬しなければならないことから、ガザの宗教当局は死者の多さとスペース不足もあり、集団墓地を利用するよう推奨している。

 ハマスは16日、1000人ほどが今もがれきの下敷きになっている可能性があるとし、感染症がまん延する恐れがあると警告した。(c)AFP