フランスの左派に亀裂 ハマス攻撃への見解めぐり
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■議会では抗議の退出も
LFIは当初の声明で、「イスラエルによる占領政策強化の流れ」の中で起きた「武力攻撃」と位置付けた。この声明は、攻撃を正当化するものだとして、強い批判を浴びた。
LFIはその後も、「全ての戦争犯罪」を非難するとしたものの、ハマスを「テロ組織」と呼ぶには至らなかった。これを受けて中道および右派の議員は、抗議のため議場から退出した。
フランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)、フランソワ・オランド(Francois Hollande)両元大統領が率いていた社会党が衰退し、2017年に左派最大政党となったLFIだが、その立場は、英国の野党・労働党のキア・スターマー(Keir Starmer)党首がハマスによる「テロ攻撃」と発言したのとは対照的だった。
LFIと社会党、フランス共産党、環境政党は、「人民環境社会新連合(NUPES)」を結成し連携しているが、NUPESは現在、厳しい試練に直面している。社会党はハマス問題を理由に、2024年予算に関する起案作業でLFIとの協力を一時停止すると表明した。
LFI内でも、党の立場をめぐって意見の相違が生じている。2027年の大統領選の候補とも目されているフランソワ・リュファン(Francois Ruffin)議員は、ハマスを「狂信的なテロ組織」と表現し、「強い言葉」で非難するよう呼び掛けた。
一部のアナリストは、メランション氏が大きな失策を犯したと批判しているが、国民議会(下院)元議長で、マクロン大統領率いる与党「再生」のフランソワ・ドルジ(Francois de Rugy)氏は、メランション氏の発言は在仏のイスラム教徒の支持を得るために慎重に計算されたものだとの見方を示した。
2022年の大統領選では、自身の宗教的な属性をイスラム教徒とした投票者の69%がメランション氏に投票した。
ドルジ氏はシュド・ラジオに対し、「ハマスの攻撃に対するLFIの曖昧な態度は、失策では全くなく、戦略だ」と断言。その上で、「イスラエル・パレスチナ紛争はメランション氏にとって、同氏がフランスのムスリム社会に広がる憤りだと見なす感情を煽り、自身への投票を促す好機の一つにすぎない」と述べた。(c)AFP/Clare BYRNE