【10月11日 CNS】中国・杭州市(Hangzhou)で開催された第19回アジア競技大会(19th Asian GamesAsiad)のライセンス商品を販売する小売店は、連日お客さんが後を絶たない。陳列棚にはマスコットの置き物、陶磁器のカップ、抱き枕、記念コイン、キーホルダー、文房具などの人気商品が並べられている。そのうち、マスコットのバッジは一つも手に入らないほどの人気ぶりだ。

 杭州アジア大会の開催に向け、中国は特に1500種類のライセンス商品を発表し、天猫(Tmall)公式旗艦店、テレビショッピングプラットフォーム、全国で約1500もの実店舗を開設した。杭州アジア大会組織委員会の市場開発部の杜梦菲(Du Mengfei)副部長が10月5日に述べたところによれば、現在までに、杭州アジア大会とアジアパラ大会の市場開発全業務の総収入は53億1600万元(約1085億円)に達し、そのうち大会ライセンス商品の売上高は10月4日までに7億6000万元(約155億円)に達した。

 ウズベキスタンの体操名選手、オクサナ・チュソビチナ(Oksana Chusovitina)ら外国人選手のお気に入りは、マスコットのフィギュア「龍泉磁娃」だ。このフィギュアは龍泉(Longquan)青磁(龍泉市の特産品、青磁の中では最も上質な青磁)で作られている。

「これは伝統とトレンドのドッキングであり、中国の特色ある流行フィギュアだ」と、「龍泉磁娃」マスコットデザイナーの周春麗(Zhou Chunli)さんは語った。「龍泉磁娃」はマスコットの特徴と持ち味を受け継ぎつつ、磁器の滑らかで玉のような特性を強調し、マスコットの頭部の特徴を強調して全体的に現代感を持たせていると、周さんは述べた。

 今回のアジア大会は、杭州の旅行記念品の販売を促進した。ライセンス商品の中には、杭州の特色、例えば茶、良渚、宋韵文化などが多く取り入れられており、これにより、より多くの人びとが地元の文化を理解できるようになる。

 海外からの顧客は油紙傘(唐傘)、シルク、茶器、蓮の根の粉などに特に興味を持っている。

 ライセンス商品が売れ続ける一方で、選手たちは気付かないうちに「ライブコマースのインフルエンサー」になっており、その結果、偶然にも多くの小商品の人気に火がついた。彼らが身に着けているもの、頭に飾っているもの、肩にかけているものなどは、すぐに一般大衆から求められるようになった。

 アナリストは、スマートフォン、モバイルインターネット、ショート動画の普及に伴い、セレブリティ効果によるビジネスチャンスの一般化が進んだが、これはスポーツの商業化の一つの発展の方向であり、各ブランド企業は深く研究すべきトレンドだと見ている。

 また報道によると、杭州アジア大会の市場開放規模について、アジアオリンピック評議会(OCA)はこのほど、杭州アジア大会が市場開発において大きな突破を成し遂げたことを祝福し、今大会のスポンサー収入と規模はこれまでで最高だったと述べたという。(c)CNS/JCM/AFPBB News