バイデン氏、メキシコ国境の壁拡張へ トランプ政権下の「法の縛り」
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【10月6日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は5日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権下で建設が開始されたメキシコ国境の壁を拡張する計画について弁明した。
民主党のバイデン氏はトランプ氏と競った2020年の大統領選で、共和党の看板政策だったメキシコ国境の壁建設に反対し、増設はしないと公約していた。
しかし国土安全保障省は5日、移民の流入が急増する中、「喫緊の必要性」があるとしてテキサス州南部の新たな区画に壁を建設すると発表した。
同日、大統領執務室で会見したバイデン氏は、自分はそうした壁に効果があるとは思わないが、トランプ政権時代に施行された法律には拘束力があると釈明。「予算は割り当てられた通りに使われなければならない。私にそれを止めることはできない」と語った。
バイデン氏は再選を目指す来年の大統領選で再びトランプ氏と相対する可能性があり、メキシコ国境の壁もまた争点となっている。
トランプ氏はバイデン政権のこの動きについて、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に投稿。「560マイル(約900キロ)にわたって真新しく美しい国境の壁を造ったとき、私は正しかった」と述べ、さらに「ジョー・バイデンは私と米国に対し、のろのろしていたせいで、わが国に1500万人の不法移民があふれかえっていることをどう謝罪するのか」と非難した。
一方、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は、壁の新設計画は、政策の「後退」だと批判した。(c)AFP/Danny KEMP