【10月5日 AFP】ロシア極東(Far East)に住む高齢女性がCT検査を受けたところ、脳に長さ3センチほどの針が刺さっていることが分かった。生まれて間もない頃から80年間、針が刺さったまま生きてきたとみられている。

 医師らは、親が口減らしのために乳児だった女性を殺そうとしたと考えている。状態を悪化させる恐れがあるため、針の除去は行わないという。

 サハリン(Sakhalin)州の保健当局は、長期にわたる飢饉(ききん)の際にこうした事例は珍しくなかったと説明している。女性は第2次世界大戦(World War II)中に針を刺されたとみられ、「生まれた時から」針とともに生きてきたことになるという。

 第2次大戦中はソ連全土で食糧不足がまん延し、多くの人が極度の貧困にあえいだ。「針は女性の左頭頂葉を貫通したが、意図したであろう結果にはならず、女性は命を取り留めた」と同当局は述べた。

 針を頭に刺す殺し方は、口減らしの証拠を隠ぺいするためよく使われていたという。

 当局によると、主治医が女性の経過を観察している。(c)AFP