2023年ノーベル化学賞、「量子ドット」研究の3氏に 事前流出の珍事も
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【10月4日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は4日、2023年のノーベル化学賞(Nobel Prize in Chemistry)を、半導体ナノ結晶の一種である「量子ドット」の発見と合成の功績で、フランス出身のムンジ・バウェンディ(Moungi Bawendi)氏と米国人のルイス・ブルス(Louis Brus)氏、ロシア出身のアレクセイ・エキモフ(Alexei Ekimov)の3氏に授与すると発表した。
アカデミーは、3氏が「テレビやLEDランプの発光から、腫瘍を除去する際のガイド手術までさまざまなことを可能にする」半導体微粒子の生成に成功したとたたえた。
バウェンディ氏は米マサチューセッツ工科大学(MIT)、ブルス氏は同コロンビア大学(Columbia University)、エキモフ氏は米企業ナノクリスタル・テクノロジー(Nanocrystals Technology)に所属し、全員が米国在住。
なお、現地スウェーデンのメディアは事前に異例の情報流出があったとして、アカデミーによる発表の前に3氏の名前を報じていた。
バウェンディ氏は記者団に対し、情報が流出した報道は目にしておらず、受賞に「衝撃を受けている」と語った。
アカデミーのハンス・エレグレン(Hans Ellegren)事務局長は会見で、報道資料が流出したと説明し、謝罪した。理由は依然不明だという。
エレグレン氏は、「このようなことが起きて極めて遺憾に思う。重要なのは、受賞者の選考には何ら影響がなかったことだ」と述べた。
授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。(c)AFP/Johannes LEDEL