【10月3日 AFP】ロシア外務省は2日、日本維新の会の鈴木宗男(Muneo Suzuki)参院議員が同日モスクワを訪問し、アンドレイ・ルデンコ(Andrey Rudenko)外務次官と会談したと発表した。

 昨年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、日本の国会議員がロシアを訪れるのは初めて。

 松野博一(Hirokazu Matsuno)官房長官は3日の記者会見で、ロシアには「渡航中止勧告以上の危険情報を発出していて、どのような目的であれ渡航はやめていただくよう国民に求めてきている」と非難。政府に対し、鈴木氏側からは訪ロ前も後も連絡はないと述べた。

 ロシア外務省は声明で「2国間関係の発展に大いに貢献している日本の国会議員」と鈴木氏を評した。

 一方で「何十年にもわたって積み上げられた協力関係が、米国の歓心を買うために日本政府が実施している制裁、および『西側陣営』の反ロシア路線によって、意図的に破壊されつつあることを遺憾に思う」と日本政府を批判した。

 鈴木氏はロシアとの緊密な関係構築を長年提唱し、外務省の北方領土交渉にも深く関与してきた。

 秘書の赤松真次(Shinji Akamatsu)氏はAFPに対し、鈴木氏は1日、「視察のため」モスクワへ向かったと語った。

 一方、日本維新の会は、届け出のない海外渡航は党の規則に違反するとして、帰国後に本人から事情を聞く予定。

 また自民党の茂木敏充(Toshimitsu Motegi)幹事長は会見で、鈴木氏のロシア訪問は「望ましいことではない」と述べた。(c)AFP