【10月2日 Xinhua News】中国科学院は、円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡が9月27日にプロセス試験に合格したと発表した。国の重要科学技術インフラとなる宇宙環境地上基地綜合モニタリングネットワーク(子午プロジェクト2期)を象徴する設備の一つで、中国の太陽物理や宇宙天気の研究に質の高い観測データを提供する。

 望遠鏡の設置場所は四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州稲城県の標高3820メートル地点で、直径6メートルのパラボラアンテナ313基が等間隔に配置され、直径1キロの巨大な円環を形成している。

 プロジェクトの責任者を務める中国科学院国家宇宙科学センターの閻敬業(Yan Jingye)研究員は「太陽の活動で生じる短いスパンの宇宙空間の変化は宇宙天気と呼ばれている。宇宙天気の質の高い観測や予報は、宇宙飛行や通信など高技術システムを安定的に運用する上で重要な意義を持つ」と述べた。

 同望遠鏡は現時点で世界最大規模の開口合成電波望遠鏡であり、太陽の各種爆発活動のほか、太陽嵐の惑星間空間進入プロセスも観測できる。太陽の爆発メカニズムや太陽嵐の地球到達の法則を理解し、太陽活動の地球に対する影響を予測するのに役立つ。

 閻氏は、同望遠鏡が太陽観測以外でも500メートル球面電波望遠鏡「中国天眼」(貴州省)や深宇宙観測レーダー「中国複眼」(重慶市)、非干渉性散乱レーダー(海南省)などと合同観測を実施すると説明。低周波電波サーベイやパルサー、高速電波バースト(FRB)、惑星防御の監視・警戒などで重要な役割が期待されると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News