輸入果物、国産代替への道 中国
このニュースをシェア
【10月2日 CNS】近年、「輸入果物」は徐々に中国の国産化が進み、これらの高価な果物はより身近なものになっている。
中国経済情報社新華指数農業市場研究センターの研究員、張保賀(Zhang Baohe)氏は、中国の気候条件は、大部分の果物の国内栽培に適していることを示していると話す。一部の熱帯果物のみが栽培環境の制限により、大規模な生産ができず、現在も主に輸入に頼っているとのことだ。張研究員は、「果物産業には多様性が必要であり、果物の輸入も苗の輸入・栽培も、どちらであってもわが国の果物経済の発展にプラスになる」と述べている。
輸入果物の国産化の過程で、リンゴのふじやイチゴの紅ほっぺといった品種はすでに国産化のアップグレードを実現し、数量、品質、市場占有率などで絶対的な優位性を持ち、規模化、産業化、現代化の栽培システムを形成している。
しかし、輸入果物の国産代替の道のりは必ずしも順風満帆ではない。例えば現在、ドリアンは国産ものと輸入もので「競争」しているが、国産ドリアンに価格面での優位性はない。
多くのネットユーザーは、国産ドリアンも大規模な栽培を実現すれば価格が下がると考えている。しかし、海南省(Hainan)優旗農業股份有限公司のゼネラルマネジャー、杜百忠(Du Baizhong)氏は、現在の国産ドリアンは数量が少なく、栽培コストが高いため、短期間で価格を下げることは難しいとみている。
また、国産ドリアンの良質高価とは逆に、一部の輸入果物は国産代替後、大規模な栽培を実現し、価格もより手頃になったが、品質がいくぶん低下してしまったという事例もある。
中国農業科学院鄭州果樹研究所副所長、桃のリソースと育種イノベーションチームの主任科学者、王力栄(Wang Lirong)氏は、品種の劣化が果物の品質低下の一因となる可能性はあるが、その影響は大きくなく、恐らく最も重要な原因は、無計画な大規模化と栽培管理経験の不足だろうとみている。王氏は、「果物産業の発展には適度な規模が必要であり、これにより農民の利益を保護し、価格変動による収益影響を避けることができる。同時に、政府も関連政策を制定し、農民に栽培面積と生産量を合理的に計画するよう導いていくべきだ」と考えている。
穀物とは異なり、一部の果物は接ぎ木や挿し木による繁殖栽培も可能だ。「輸入果物」の国産化または模倣の過程で、一部の栽培者もこのような方法を採用したが、知的財産権侵害や賠償請求などのリスクに直面している。
中国熱帯農業科学院熱帯作物品種資源研究所研究員、陳業淵(Chen Yeyuan)氏は、現代の科学研究を基に、新たに育成された優良品種はすべて研究者の技術特許で、知的財産権で保護されている。他人の品種を直接栽培することは、育種者の権利を尊重せず、育種業界を混乱させ、科学研究者の育種に対する自信を失わせるだけだとみており、「育種の知的財産権保護の確実な実施・強化は急務となっている」と述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News