【9月21日 AFP】米ネバダ州出身のトランス女性、サラ・アシュトンシリロ(Sarah Ashton-Cirillo)氏(46)は2022年3月、難民取材のためウクライナを訪れた。滞在予定は2週間だった。

 しかし、滞在予定期間が過ぎてもアシュトンシリロ氏はウクライナにとどまり、同国軍で戦った後、侵攻について英語で発信する領土防衛隊の報道官の任に就いた。

 ウクライナ軍は20日、アシュトンシリロ氏を停職処分にしたと明らかにした。大統領府が承認していない発言があったためとしている。

 アシュトンシリロ氏は停職前の今月上旬、自身が管理するキーウのスタジオでAFPの取材に応じた。所属していた部隊の合言葉は「ロシア人の憎しみを受け入れる」だったと笑顔で語った。

 金髪のアシュトンシリロ氏はカーキ色のポロシャツに身を包み、「ロシア人がわれわれに憤慨しているのなら、自分たちの役目を果たせているということだ」と話した。

 ロシアのテレビ番組は今月、アシュトンシリロ氏を特集した1時間番組を放映した。番組内で同氏は「ウクライナ国民に対するひどい恥辱」や「怪物」と呼ばれた。

 アシュトンシリロ氏はジャーナリズムと研究に携わった経歴を持つ。ウクライナには当初は2週間の滞在予定だった。しかし、1年7か月が過ぎた今、キーウのスタジオからユーチューブで「ウクライナを知る(Ukraine in the Know)」「ロシアは真実を憎む(Russia Hates the Truth)」といった番組を生配信している。

 ウクライナ語は話せず、英語で政府の声明を伝えたり、ロシアメディアの報道をあざけったりしている。

 ユーチューブの8月の視聴者数は約2万人だった。だが、ロシアのメディアがアシュトンシリロ氏に向ける怒りの度合いはそれとは比べ物にならないぐらい激しいものだ。

「定期的にグーグルでトレンドを見ていると、私がしばしば上位に登場する。そのトラフィックの大半がロシアからだ」