【9月8日 AFP】フランスの行政裁判所の終審である国務院は7日、イスラム教徒の服「アバヤ」の学校での着用を禁止するとした政府の決定を支持し、差別的で憎悪をあおりかねないとするイスラム教系団体からの訴えを退けた。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権は先月、教育の場における世俗主義の規則に反するとして、学校でのアバヤ着用禁止を発表した。

 イスラム教系団体は国務院に対し、アバヤに加え、男性の長衣「カミス」の学校での着用禁止は、差別的でイスラム教徒に対する憎悪をあおる恐れがあり、「レイシャルプロファイリング」に当たると主張していた。

 国務院はこれを退け、今回の政府の決定は、学校では自分の信仰を示すシンボルを他者に見える所に身に着けてはならないとする法律に基づくものだと説明。その上で、「個人の生活、信仰の自由、教育を受ける権利、子どもの福祉差別禁止の原則の深刻かつ明白な侵害」には当たらないとの判断を示した。

 フランスの公式推計では、人口6700万人のうち約10%がイスラム教徒だとされる。その多くが、かつて植民地だった北アフリカのアルジェリア、モロッコ、チュニジアにルーツを持つ。(c)AFP/Claire GALLEN