【8月29日 AFP】フランスのガブリエル・アタル(Gabriel Attal)国民教育相は27日、イスラム教徒の一部の女性が着用する、全身を覆うゆったりとした服「アバヤ」について、教育現場における厳格な世俗主義を定めた法律に違反するとして、今後学校での着用が禁止されると発表した。

 アタル氏は民放TF1に対し、来月4日に新学年を迎えるのに先立ち「国レベルの明確なルール」を各学校長に通知すると述べた。

 フランスでは2004年3月に施行された法律で、校内で「児童・生徒が自身の宗教を表立って示すシンボルや衣服の着用」が禁じられた。キリスト教の大きな十字架やユダヤ教徒のキッパ(帽子)、イスラム教のヘッドスカーフなどが対象となった。

 だがアバヤはヘッドスカーフとは異なり、グレーゾーンにあると受け止められ、これまで厳しい禁止措置は講じられてこなかった。

 しかしこのところ、校内でのアバヤ着用者が増えて教師と保護者間の緊張が強まっていることが報じられ、議論が再燃。右派や極右は禁止を支持し、左派は市民の自由の侵害だと主張している。

 アタル氏は「世俗主義は、学校で自分を解放する自由があることを意味する」と述べるとともに、「教室に入った際に、その児童・生徒を見ただけで宗教が判別可能であるべきではない」との考えを示した。

 これに対し左派野党「不屈のフランス」のクレマンティーヌ・オタン(Clementine Autain)氏は、アタル氏の発表は「違憲」で、フランスの世俗主義的な価値観の基礎となる原則に反しており、政府の「イスラム教徒の強迫的な拒絶」の表れだと指摘した。

 イスラム教系全国組織CFCMはかねて、衣服だけでは「信仰のシンボル」にならないと訴えていた。

 映像はパリの店頭で販売されているアバヤと発表するアタル国民教育相、28日撮影。校内の映像は2022年撮影の資料映像。(c)AFP