【9月6日 AFP】クラスター弾の廃絶に取り組む非政府組織(NGO)の連合体「クラスター弾連合(CMC)」は5日、ウクライナで昨年1年間にクラスター弾で916人が死傷したとする最新の年次報告書を公表した。世界では2010年の統計開始以降最多となる1172人が死傷した。

 報告書は、ロシア軍が昨年2月にウクライナに侵攻して以降、新旧のクラスター弾を「大量に」使用しており、ウクライナ軍も「ロシアほどではないが」クラスター弾を使用していると指摘している。

 ウクライナではこの数年、クラスター弾による死傷者は確認されていなかった。昨年同国で確認された死傷者916人のうち、93.3%に相当する855人が民間人で、58人が兵士、3人が地雷除去作業員だった。

 916人のうち、890人はクラスター弾による攻撃で、26人は不発弾によって死傷した。

 クラスター弾は、航空機から投下されたり、大砲から発射されたりした後、空中から広範囲に子爆弾を散布する仕掛けになっている。多くは不発弾として地雷のように残されるため、永続的な脅威となる。

 報告書の共著者の一人、ローレン・ペルシ(Loren Persi)氏は、記録されていない死傷者も多数存在する可能性があると強調。昨年は少なくともさらに51件のクラスター弾攻撃があったが、犠牲者が記録されていないと指摘している。

 クラスター弾禁止条約(オスロ条約)には110か国以上が署名しているが、ロシアとウクライナは加盟していない。(c)AFP/Nina LARSON