【9月6日 AFP】ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は4日、在外公館に対し、パスポート(旅券)の発給を停止するよう命じる布告を出した。国外に逃れている反政権派は旅券の更新ができなくなり、帰国すれば訴追されるリスクに直面することになる。

 布告は、旅券の新規申請や更新に際しての受領場所について、ベラルーシ国内の「最終居住地の管轄事務所」に限ると規定している。これまで国外在住のベラルーシ市民は、滞在国のベラルーシ公館で旅券を受け取れていた。

 ベラルーシでは2020年、ルカシェンコ大統領が反政権派を徹底的に弾圧。それを受け多数の市民が国外に逃れた。

 そうした人々がパスポートを更新できなくなれば、不法滞在扱いになる恐れがあるほか、帰国時にも摘発される可能性が出てくる。

 亡命中の反政権派指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は、布告についてSNSに「訴追される恐れがあるなら、たとえパスポートが失効しても帰国すべきではない。個人の自由より価値のある書類はない」と投稿し、国外に脱出している同胞に対しパニックに陥って軽率な行動を取らないよう呼び掛けた。(c)AFP