【9月2日 AFP】スペインのスポーツ裁判所(TAD)は1日、同国サッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長が女子代表メンバーであるヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)の唇に一方的にキスをした行為に関する捜査に合意した。これを受け、同会長は「真実」を証明すると反論している。

 スペイン政府は先週、先月20日に豪シドニーで行われた女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)決勝の表彰式で、ルビアレス会長がエルモソに「非常に深刻」な犯罪を行ったとして、政府機関のスペインスポーツ評議会(CSD)に告発した。

 TADはこの事件を受理することに合意した一方で、ルビアレス会長による問題行為の程度について、政府の評価を下回る「深刻」にとどめた。同裁判所が「非常に深刻」と認めていれば、CSDは訴訟の期間にルビアレス会長を資格停止処分にすることが認められたとみられる。

 すでに国際サッカー連盟(FIFA)から90日間の資格停止を言い渡されているルビアレス会長は、すぐさま政府からの圧力に反応し、国内紙ムンド(El Mundo)に掲載された文書で「実際に襲われ、私の全面的な支援と理解を得ている女性たちを含め、この国や国境を越えた全ての善良な人々に対してメッセージを送りたい。これはジェンダーの問題ではなく真実の問題である」と述べた。

 これは、前週開かれた連盟の総会で、自らを強く擁護して辞任を拒否するスピーチを行ってから初めての公式発言となっている。

 一方、スペインの検察当局は先日、ルビアレス会長のキスについて、同国の法律ではオンラインでの虐待からレイプまで広範囲をカバーする「性的暴行」の罪に該当する可能性があるとして、予備捜査を開始した。(c)AFP