【8月30日 AFP】ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏(62)の密葬が29日、出身地のサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で執り行われた。プリゴジン氏は軍指導部打倒を目指して武装反乱を起こした2か月後、搭乗機の墜落で死亡した。

 ワグネルは、家族や近しい人のみでプリゴジン氏を送り出したとしている。警戒態勢が敷かれる中、プリゴジン氏は同市北東の郊外にあるポロホフスコエ(Porokhovskoye)墓地に埋葬されたとされる。

 ワグネルは「別れを告げたい人は、ポロホフスコエ墓地を訪れるといい」としている。

 墓地は封鎖され、立ち入りは制限されていたが、AFPカメラマンは、プリゴジン氏のものとみられる真新しい墓を確認。墓には木の十字架が立てられていた。

 旧ソ連の詩人でノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)受賞者のヨシフ・ブロツキー(Joseph Brodsky)の詩「Nature Morte」の抜粋で、「死んでいるのか、生きているのか」というくだりが額に入れて置かれていた。

 ウクライナ政府関係者は、葬儀が密葬形式で執り行われたことについて、抗議デモに発展する可能性をロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)が懸念している表れだと指摘。

 ミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問はテレグラム(Telegram)で、「プリゴジン氏の密葬は、(ロシアのウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)大統領が心から恐れているものをまさに象徴している」と述べている。(c)AFP