【8月25日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区文物考古研究院の彩陶坡遺跡発掘プロジェクトチームは、同遺跡で竜形蚌飾(ほうしょく)1点を発見したと発表した。遺跡は同自治区赤峰市松山区にある。蚌飾はカラス貝の装飾品を指し、今回の出土品は新石器時代の紅山文化初期に属すという。

 発掘プロジェクトに参加する胡春柏(Hu Chunbai)氏によると、今回見つかった竜形蚌飾は彩陶坡遺跡の住居跡の南西角から出土。外見は竜に似ており、出土時は約20センチ四方に分散していた。口は短く大きく開き、盛り上がった丸い額の下に目を表す円形の穴が開いており、穴の縁に溝があることから、本来は象眼されていたと思われる。尾翼と胴体がつながる部分には四つの円形の穴があり、ひもを通してつなげた可能性がある。尾部は菱格文でうろこを表現していた。

 同研究院の孫金松(Sun Jinsong)院長は出土した竜形蚌飾について、年代は牛河梁遺跡積石冢群(遼寧省朝陽市)出土の玉竜より早く、紅山文化初期の竜形象の空白を埋めるとの見方を示した。

 遺跡の住居跡からは土器2点も出土。いずれも筒型夾砂灰陶罐(かん、貯蔵容器)で一つは線文、一つは「之」字文が施されていた。2点とも紅山文化の典型的遺物で比較的早い時期のものだという。

 紅山文化は中国の新石器時代文化の一つで、年代は約6500~5千年前。中華文明の起源と初期社会の発展プロセスで重要な位置を占めている。(c)Xinhua News/AFPBB News