「未来の燃料」グリーン水素、湾岸諸国も着目
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【9月10日 AFP】数十年にわたり化石燃料に依存してきたペルシャ湾岸諸国。経済構造の転換と、気候変動に伴う影響の緩和を一気に図ろうとする中、着目しているのが「グリーン水素」だ。
グリーン水素は、再生可能エネルギーを使って水を電気分解することによって生成される。温室効果ガスを排出せず、潜在的な用途も幅広い。高い利益が見込めると同時に環境への負荷も低減できるため、各種の課題の解決につながると考えられている。
しかし、現在、グリーン水素が水素全体の生産量占める割合は1%にも満たず、商業レベルで普及するまでのハードルは高い。また、再生可能エネルギー源を拡充させる必要があり、それには何年もかかる可能性がある。
それでも湾岸諸国は、石油収入が減少する中、エネルギー市場のキープレーヤーであり続けるための鍵はグリーン水素にあり、とみている。
英王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)のカリム・エルジェンディ(Karim Elgendy)氏は、「湾岸諸国は世界の水素市場をリードしたいと考えている」と指摘する。
「化石燃料需要が減少した後も影響力を維持するためにはグリーン水素が要になると、湾岸諸国はみている」
現状では、水素の大半は、環境を汚染する化石燃料から抽出されている。それに対し、グリーン水素は、風力、太陽光、水力といった再生可能エネルギーを使って水から抽出される。
化石燃料を燃やすと温室効果ガスが排出されるが、水素を燃やしても水しか発生しない。そのため水素は、陸上交通、海運、鉄鋼といった、温室ガス排出量が多い産業部門での利用が期待されている。