ソウル市内の両替所(c)MONEYTODAY
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【08月23日 KOREA WAVE】韓国を訪れた中国人観光客が3カ月連続で昨年同月比1000%以上増えた。中国政府は最近、韓国への団体観光旅行を解禁しており、低迷していた国内消費に活気が戻るだろうとの期待が膨らんでいる。

韓国政府によると、訪韓中国人観光客数の増加率は4月1191.8%、5月1258.6%、6月1303.3%。1~3月はそれぞれ239%、224.5%、503.1%だった。

韓国観光公社によると、訪韓中国人観光客は2016年807万人に達したが、翌年は最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の韓国配備を巡る対立が尾を引き、417万人に半減した。さらに新型コロナウイルス禍で2020年69万人に急減し、2021年には17万人まで落ち込んだ。昨年は23万人と少し増加し、今年上半期は55万人となっている。

こうした訪韓中国人観光客の持ち直しは、韓中両国の防疫措置緩和と韓国政府が中国観光客誘致に力を入れた影響とみられる。

韓国政府は今年3月中旬から韓国を訪れる中国人のPCR検査義務を解除。5月には中国団体観光客の済州(チェジュ)ノービザ乗り換え制度を再開した。

一方の中国も10日、韓国・日本・米国など78カ国に対する団体旅行を許可すると発表。THAADでの対立を契機に団体ビザ発給が制限されて以来6年5カ月ぶりに韓国への団体観光が許可された。

訪韓中国人観光客の増加は消費を引き上げ、韓国経済全般に肯定的な影響を及ぼすと期待される。韓国銀行は2月に発表した報告書で、中国人観光客が100万人増えれば韓国の成長率が約0.08%上がると推定している。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News