【8月12日 CGTN Japanese】中国の多くの旅客列車に寝台車があります。「軟臥(一等寝台)」は通常4人が一つの個室をシェアし、左右にそれぞれ二段式ベッドがあり、「硬臥(二等寝台)」は一列に並んだ三段式ベッドです。寝台車の乗客はランダムに割り当てられており、見知らぬ男女が同じ狭い空間に割り当てられてしまうこともあり、それぞれに不便をもたらしています。

 こうした状況に対し、最近、ある観光関連のインターネットプラットフォームでは、一部の列車について、同性の乗客を一つの個室(軟臥)または一つのエリア(硬臥)に割り当てるサービスを打ち出しました。サービス料は1人10元(約190円)です。これまでに1000人以上がこのサービスを体験しました。同サービスは注目を浴び、「このお金を出したい」、「目が覚めると、向こうの男性3人が私を見つめていてびっくりした。こうした経験は避けたかった」とネットユーザーからメッセージが寄せられ話題になっています。

 中国では長い間、列車の乗客間のもめごとに関するニュースは珍しくありません。今年4月、「3男1女」が同じ「軟臥」の個室になって気まずいという投稿が話題になりました。この夏休みには子ども連れの乗客が静かに座っていても「おとなしくさせてください」と何度も注意される、上段ベッドのお年寄りが下段ベッドに長い時間座り続けるというケースがありました。外出する人々の増加に伴い、その需要はますます多様化・個性化しています。それを鉄道サービスが効果的に満足させることは難しいですが、これらの問題は鉄道部門が解決すべきだと考えているネットユーザーが大勢います。実はこうした問題に対応してこれまでに「女性専用個室」の試行をおこないましたが、性別によって車両を分配するのは切符購入システムに負担がかかるだけでなく、輸送力の無駄遣いにつながるため、やめざるを得ませんでした。

 ネットユーザーからは、女性へのサービスに限らず、どのようにして輸送サービスの中で、高齢者や子どもを連れた乗客などの「少数者のニーズ」を大事にし、満たすかも重要だなどといったメッセージが寄せられました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News