【8月8日 AFP】英ロンドン東部のブリックレーン(Brick Lane)地区の塀が、親中派と反中派のキャンバスと化した。親中派が中国政府のプロパガンダを書き込むと、今度は反中メッセージが上書きされ、落書き合戦となった。

 塀はストリートアートで有名な通りに沿っており、地元住民が6日朝、最初の落書きを発見。白い塀に、中国共産党が唱える「社会主義核心価値観」を示す12の標語、「富強」「愛国」「法治」といった漢字が赤い塗料で書かれていた。

 ソーシャルネットワーク上では批判コメントが次々に投稿され、落書きは結局、塗りつぶされた。その上に「平等を享受しているのは一部の人間」「中国に自由はない」など、中国当局と習近平(Xi Jinping)国家主席を批判するメッセージが書き込まれた。

 人権団体、香港ウオッチ(Hong Kong Watch)の代表ベネディクト・ロジャーズ(Benedict Rogers)氏はSNSのX(旧ツイッター〈Twitter〉)に、「ロンドンのブリックレーンを中国政府の憎悪に満ちた恥ずべきプロパガンダで汚した中国共産党の手先を強く糾弾する」と投稿した。

 AFPが取材した中国育ちだというアップルさんは、中国共産党のスローガンについて「小中学校で覚えさせられるので、私や友人にとってはトラウマになっている」と話した。

 いずれの落書きも、7日朝には自治体当局によって除去された。(c)AFP