【8月2日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は7月31日、世界遺産のイタリア・ベネチア(Venice)を危機遺産に加えるよう勧告した。歴史的街ベネチアとそれを囲む潟の保護強化を伊政府に求めている。

 ユネスコは「開発が続いていることや気候変動とオーバーツーリズム、人間の干渉による継続的な劣化の影響が、(ベネチアの)顕著な普遍的価値に不可逆的な変化をもたらす恐れがある」としている。来月10~25日にサウジアラビアの首都リヤドで開催されるユネスコ執行委員会で登録の可否が採択される。

 執行委員会に提出された草稿は、イタリア政府の取り組みによる進歩は見られず、不十分だと指摘している。

 ベネチアは2021年にも危機遺産登録が勧告された。しかし、採択の数週間前に市中心部の港への大型クルーズ船の乗り入れを禁止し、登録を回避していた。

 スイスから夫婦でベネチアを訪れた男性(34)は勧告に肯定的だが、「観光客が多すぎるとは思うが、解決策を提示するのは難しい」と話した。「きょうは月曜日だからすいているのではと思ったが、間違っていた」

 映像は2022~2023年撮影。(c)AFP/Joris FIORITI