【8月1日 AFP】米カリフォルニア州モハベ(Mojave)国立保護区で発生した大規模火災が7月31日、制御不能な状況になった。火災旋風も確認されており、米南西部ほぼ全域に生育するジョシュア・ツリー(ユッカ・ブレビフォリア)への延焼が懸念されている。

 カリフォルニア州で今年最大規模となった山火事ヨーク・ファイア(York Fire)は7月28日に発生。週末にかけての強風と高温の影響で、同月31日までに約3万1000ヘクタールが焼失した。

 内務省の土地管理局によると、消防士250人以上が消火活動に当たっている。火災の北側で消火活動を行っていた消防士が「火災旋風」を目撃したという。同局は「火災がさらに燃え広がり、新たな火災を引き起こす恐れがある」と警告している。

 これを受け、生物多様性で知られるモハベ砂漠への影響が懸念されている。域内にはカメやキツネ、オオヤマネコなどが生息し、多数のジョシュア・ツリーも分布する。中には樹齢数百年のものもあるが、ジョシュア・ツリーは火に弱いとされる。

 最大15メートルに成長するジョシュア・ツリーは、米西部の砂漠地帯の象徴的な植物で、アイルランドのロックバンドU2のアルバムタイトルになったことで世界的に知られるようになった。

 ジョシュア・ツリーはこれまでも、地球温暖化の脅威にさらされてきた。2020年に発生した山火事では130万本が焼失した。(c)AFP