【8月27日 AFP】温室効果ガスの排出量の低さが見直され、夜行列車が欧州に戻ってきた。ただ、サービスの中断期間が長かったこともあり、復活の道のりは容易ではなさそうだ。

 運行会社によれば、復帰した列車は老朽化。たびたび遅延したり、技術的な問題やトイレの故障が起きたりしている。また、「過剰利用」状態の路線網での競争も強いられている。

 しかし、気候変動への懸念から消費者はジェット燃料を使う航空機利用を敬遠し、温室ガスの排出が少ない交通手段へと乗り換えつつある。そのため各国国鉄は夜行列車の運行を新たな機会と捉え、新興の運行会社もこぞって参入している。

 西欧と東欧の中間に位置するオーストリア。夜行列車が格安航空によって歴史書中の記述に追いやられようとしている中、政府の後押しもあり、復活劇の中心舞台になっている。

 オーストリア連邦鉄道(OeBB)は寝台車を含め1日当たり約150万人の乗客を扱っている。夜行列車運行会社としては欧州最大だ。

 一時、夜行列車の廃止を検討したこともあったが、方針を転換して夜行部門に投資。現在、ウィーンと他の欧州20都市を結ぶ路線を展開している。

 欧州がバカンスシーズンたけなわということもあり、OeBBの広報担当者ベルンハルト・リーダー氏がAFPに語ったところによると、「夜行列車はほぼ満席の状態」だ。