ネクタイは「十字架」の象徴 タリバン幹部主張
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【7月27日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)幹部は26日、ネクタイはキリスト教の十字架の象徴であるとし、排除すべきだと主張した。
イスラム教の価値観に沿うよう市民を指導する当局のトップ、モハマド・ハシム・サイード・ロル(Mohammad Hashim Shaheed Wror)氏が、民放トロテレビ(Tolo TV)が放送した演説で発言した。
この中でロル氏は「病院などに行くと、イスラム教徒のアフガニスタン人の技師や医師がネクタイを着用しているのを見ることがある」と指摘。イスラム教において、ネクタイが象徴するものは「明らかだ」と続けた。
「ネクタイとは何か? 十字架だ。シャリア(イスラム法)は十字架を壊し、排除すべきだと定めている」
タリバンは2021年8月に復権して以降、女性には公の場でのヒジャブ(頭髪を覆うスカーフ)の着用を命じたが、男性には服装規定を設けていない。
アフガニスタンのタリバンはほぼ全員が、サルワール・カミーズ(パンツとチュニック)とベスト、ターバンという同じ格好をしている。
タリバン復権以降、カジュアルな洋服を着る人は減っているが、一部の専門家やテレビのアナウンサーなどは襟付きのシャツにネクタイを着用している。
ネクタイは17世紀に登場したと考えられている。フランスで流行し、以降ファッションの定番になった。
アフガンでは1979年のソ連のアフガン侵攻から10年間は、政府職員は伝統的な服装の着用は推奨されず、スーツの着用を求められた。
2021年にタリバンが首都に迫る中、国外に脱出したアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)前大統領は、国外ではスーツを、国内では伝統衣装を着ることを好んだ。(c)AFP