【7月22日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日、ワジム・プリスタイコ(Vadym Prystaiko)駐英大使を解任した。理由は明らかにされていないが、英国からの兵器供与をめぐるゼレンスキー氏の発言を批判したことを受けたものとみられている。

 英国のベン・ウォレス(Ben Wallace)国防相は今月、リトアニアの首都ビリニュスで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で記者団に対し、ウクライナへの兵器供与について、英国は米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)ではないと述べ、ウクライナはもっと「謝意」を示すべきだとの考えを示した。

 これに対しゼレンスキー氏はNATO首脳会議の記者会見で、英国には常に謝意を表明してきたが、他の伝え方が分からないとした上で、「朝起きて、英国防相に個人的に感謝の言葉を伝えることはできるだろう」と述べた。

 プリスタイコ氏は英スカイニューズ(Sky News)とのインタビューで、ゼレンスキー氏の発言には「ちょっとした皮肉」が込められていたのかとの問いに同意。

「こうした皮肉が健全だとは思わない。われわれ(ウクライナと英国)の間にわだかまりがあることをロシアに示す必要はない。ロシアには、われわれが一丸となって協力していることを知らしめなければならない」と述べ、対英関係の円滑化が必要だと強調した。

 さらに「何かあれば、ベン(・ウォレス英国防相)は私に電話して、言いたいことをすべて話せばいい」と付け加えた。

 プリスタイコ氏は2019~2020年に外相を務め、2020年7月に駐英大使に就任した。(c)AFP