ガラパゴスのウミイグアナに迫るエルニーニョの脅威
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【7月24日 AFP】生物多様性で知られるエクアドル領ガラパゴス諸島(Galapagos Islands)は今年、エルニーニョ(El Nino)現象から特に強い影響を受け、同諸島にのみ生息するウミイグアナが厳しい状況に置かれる可能性もある。
ウミイグアナは、英国の著名な生物学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)が提唱した進化論を実証するかのように、海での潜水に適応する特異な生態を持ち、60年も生きることができる。
鋭い爪と背中にとげ状の突起を持つウミイグアナは、一見強そうに見える。実際には、主食である海藻の生育に影響を与える太平洋の海水温の変化に脆弱(ぜいじゃく)だ。
国際自然保護連合(IUCN)によると、周期的ではあるものの予測不可能に繰り返される、エルニーニョ現象による餌の減少とラニーニャ(La Nina)現象による餌の増加により、ウミイグアナの生息数は極端に変動する。
米海洋大気局(NOAA)は6月、「エルニーニョ現象が発生する条件が確認され、今後その影響が強まる見通しだ」と発表した。
ガラパゴス国立公園(Galapagos National Park)のディレクター、ダニー・ルエダ(Danny Rueda)氏はAFPに対し、「通常なら今の時期は水が冷たくなってくるはずだが、海水温はまだ非常に高い」と語った。
ルエダ氏は、1982年と97年にもエルニーニョ現象が強い影響を与えたことを挙げ、カメやペンギン、海鳥、アシカなどが大きな被害を受けたと指摘した。予測によれば、今回のエルニーニョ現象は過去2回と同様の被害をもたらす恐れがあるという。