ソウル市中区のモドゥツアー本社で業務に取り組む社員(c)news1
ソウル市中区のモドゥツアー本社で業務に取り組む社員(c)news1

【07月10日 KOREA WAVE】韓国の主要な旅行会社が賃金引き上げと成果給支給を始める一方で、人材難が回復する兆しが見えてこない。むしろ他業種への転職がさらに増えている。事実上3年以上続いた倒産危機のなか、雇用の不安定と劣悪な待遇などの問題が浮上し、旅行会社の業務を嫌う傾向まで現れている。

モドゥツアーは4年ぶりに社員の賃金を8%引き上げ、個人別賃金の150%に当たる賞与を支給する。この引き上げ案は今月1日に確定した。今回の引き上げ案についてモドゥツアー側は、新型コロナウイルスの期間中、尽力した社員に報いるために今回の決定を下したと説明した。

ハナツアーは今年の賃金を調整し、約3%の引き上げ、または月15万ウォン(1ウォン=約0.1円)を特別に引き上げた。また社員のコロナパンデミック時の試練と経営の正常化プロセスで予想される労苦を考慮して「特別補償制度」を確立させた。この制度により2024年4月、株価連動成果給として支給する。チーム員によって最低770万ウォン、最高3080万ウォンだ。

破格の条件を打ち出した旅行会社もあった。「チャムチョウンヨヘン(本当に良い旅行)」も昨年、社員の賃金を10%引き上げたのに続き、今年4月にも10%ほど引き上げた。

「黄色い風船」は今年初め業績好調を受け、社員333人に計85万8250株のストックオプションを与えた。行使価格は8920ウォンで、対象となる社員は2025年3月22日からこれを行使できる。

このように旅行会社が賃金引き上げ案を積極的に展開する一方、不満の声も出ている。ある旅行業界関係者は「ある旅行会社では、4年近く給与引き上げが全くなかった。社員が大挙して退社しようとしたため、急きょ引き上げ案を打ち出したようだ。旅行会社としてはオフシーズンと呼ばれる第2四半期(4~6月)に引き上げるのは異例のケースといえるが、不満の声は依然、残っている」と話した。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News