【7月9日 AFP】ウクライナ南部マリウポリ(Mariupol)でロシア軍に抗戦した後、捕虜交換の一環でトルコに留め置かれていたアゾフ連隊(Azov Regiment)隊員の一部をウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が本国に連れ戻した。ロシア側は「合意違反」だと反発している。

 ウクライナ大統領府は8日、トルコとの交渉の末、アゾフ連隊隊員の一部の帰還を実現させたと認めた。トルコ訪問中だったゼレンスキー大統領が、イスタンブール空港(Istanbul Airport)で隊員に面会した。

 これについてロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、「アゾフ連隊の(元)司令官がトルコからウクライナに帰還するということは、既存の合意を直接破ることにほかならない」と批判。合意では、隊員は紛争終結までトルコ国内にとどめられることになっていたと指摘した。

 報道官はまた、隊員の帰還は「(ウクライナの)反転攻勢が失敗」していることと関連があるとするとともに、来週の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控え「強い圧力」を受けているトルコが「連帯」を示したものだとの見方を示した。(c)AFP