【7月7日 CNS】近年、中国では数々のマイナートレンドスポーツが台頭し、各地で急速に広まっており、スポーツ産業も急生長の新段階に入っている。新興トレンドスポーツは、マイナーからメジャーへと進化し、中国の基層に浸透し、国民参加型のスポーツ産業における需要の一層の多様化・個別化が進んでいる。

 中国の新経済分野のメディアが発表した『2023トレンドスポーツ消費動向インサイトレポート』によると、過去3年間でロッククライミング、フリスビー、ストリートサーフィン、ラグビーなど、九つのカテゴリーのトレンドスポーツ関連の企業が90万社以上新たに登場した。

 トレンドスポーツの主要な参加者は、「90後(1990年代生まれの人)」を主とするSNSアプリのヘビーユーザーだ。また、トレンドスポーツのプレーヤーの年齢分布では、18〜30歳と31〜40歳の若年層が最も多く、さらに細分化された項目においてもこれらの年齢層が首位にきている。

 北京体育大学(Beijing Sport University)体育商学院の白宇飛(Bai Yufei)副院長は、業界の研究からみると、通常、国の一人当たりのGDPが1万ドル(約144万円)を超えると、スポーツ産業は大きな爆発を迎え、非伝統的スポーツ活動への受容度が大幅に向上すると述べている。彼は、2019年に中国の一人当たりのGDPが初めて1万ドルを超えたことに伴い、近年マイナートレンドスポーツも急速な発展を遂げていると考えている。これは産業の発展の法則に合致し、中国の人々の所得水準の向上と消費のアップグレードによるスポーツ需要の多様化・個性化の表れだと白副院長は見ている。

 トレンドスポーツのコンテンツ伝播の規則を観察すると、ほとんどの初心者たちがそうしたスポーツに触れ始めた背景としては、元々好きだったスポーツが何かという要因よりも、社交における属性の要因が強いのだろうということが分かった。社交の価値は、マイナートレンドスポーツが急速に台頭する要因であるだけでなく、徐々に大衆化するための必要条件ともなっている。

 中国管理科学学会体育管理専門委員会の馮珺(Feng Jun)副幹事長は、トップソーシャルメディアの力強いプロモーションによって、マイナースポーツは短期間で大きな注目を浴び、一部のグループの参加が、その後プラットフォームでのシェアによる拡散につながったと指摘している。このような循環により、大衆は新たなフィットネスや感情の表現手段を見つけることができ、最終的にはマイナースポーツのコミュニティの大幅な拡大につながった。(c)CNS/JCM/AFPBB News