【6月27日 CNS】「広州市(Guangzhou)の家主たちは深夜でもドラゴンボートの練習をしている。負けると祠堂でひざまずかされる罰がある」「観客も応援しないといけない。なぜなら、家主が勝てば家賃が免除されるからだ」。

 最近、中国のソーシャルメディアでこのような話が広まっている。もちろんこれはネット上の冗談であり、地元メディアの取材によって明らかになった。しかし、この冗談の裏には、中国の多くの都市で3年ぶりにドラゴンボートレースが復活するという事実があり、地元の人びとのドラゴンボートへの情熱が再び燃え上がっている。

 実際、数百年にわたる普及と発展によって、ドラゴンボートは東アジア文化圏で伝統的な存在となっている。日本、韓国、ベトナムなどでは、夏にドラゴンボートレースをする習慣がある。日本では、毎年5月には沖縄各地の漁港でドラゴンボートレースが開催される。そして、7月の最後の週末には長崎でも伝統的な夏のイベントが開催され、ドラゴンボートレースも行われる。中国では、ドラゴンボートレースは主に旧暦の5月前後に開催される。

 端午の節句という伝統的な祭り(旧暦5月5日、今年は6月22日)が近づくにつれ、中国の多くの省・市でドラゴンボートレースが開催される。2023湖北省(Hubei)ドラゴンボートオープン選手権大会、2023昆明(Kunming)滇池(Dianchi)国際ドラゴンボート争覇戦、2023中国南昌(Nanchang)国際ドラゴンボートレースなどが行われる。

 特に、間もなくアジア大会が開催される浙江省(Zhejiang)では、引き続き同大会の種目となるドラゴンボートレースが、杭州市(Hangzhou)や温州市(Wenzhou)などでブームになっており、多くのドラゴンボートレースが開催される。参加者として地元の村人の他、各組織の従業員や国内外のプロチームが招待されることもある。

 ドラゴンボートレースは、地元の人びとにとって天候の順調や病気の除去等の厄除けを祈る伝統的な行事であると同時に、誰もがお祭り気分を味わえる夏の水上イベントでもある。レースに参加した村人は、メディアのインタビューで、以前はレースの結果が一族全体の地位や面目を示すことになっていたが、今ではレースは主に文化の継承と祝日の雰囲気に重点が置かれており、勝ち負けはもう重要ではないと述べている。

 ただし、競技スポーツとして参加者たちは事前に練習を行い、良い成績を目指す。整然とした動作や飛び散る水しぶきは、中国の河川の美しい風景となり、多くの若者によって撮影され、ショート動画として広まっている。この伝統的なスポーツは、その独特の魅力で多くの若者を魅了している。(c)CNS/JCM/AFPBB News