【7⽉8⽇ Peopleʼs Daily】中国では、ますます多くのスマートホーム製品が登場して人びとの生活を便利にしている。スマートホーム関連は中国で、従来型産業の転換と飛躍を後押ししている。

 正泰スマートホームは創業時から家庭の照明関連の製品販売や、取り付け工事などを手掛けてきた。しかし現在は、総合的なスマートソリューションの提供に業務が移行しつつある。例えば、家庭用のスマート医療システムだ。高齢者の状態を時々刻々モニタリングして、転倒したり長時間動かなかったりした場合には、システムが家族や医療スタッフに警告を送る。

 老闆電器の技術者が、「ROKIさん、炒め物を始めましょう」と声をかけた。するとレンジフードがファンを起動し、ディスプレイがメニューを表示した。料理を選択して調理開始スイッチを入れると、「自動炒め鍋」が調理を始めた。

 このROKIデジタル調理家電と従来型の調理家電との大きな違いは、AI調理アシスタント「ROKIさん」を搭載しており、多くの調理家電と連動していることだ。

 浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)にある老闆電器の「未来工場」では、スタッフが食材の異なる温度や調理方法における食感や栄養成分の変化を研究して温度や時間のデータを収集してきた。ROKIにはすでに、デジタルレシピ数千種が搭載されている。調理の過程を記録して、デジタルマイレシピを作成して多くの人と共有することもできる。

 このような「スマート化」では、産業チェーン上流から下流までの企業の連携が力を発揮する。老闆電器の場合には上流分野である光学関連の企業と協力して「調理師の目」となるカメラモジュールを開発した。この「目」が食材を認識してレシピを推薦し、さらに調理中の色の変化に基づいて焦げを防止する。また、老闆電器は深セン市迪米科技と協力して赤外線温度測定モジュールを開発した。調理が始まれば温度の変化に応じてスマートレンジフードが起動して、風量も自動調整する。

 産業チェーンの川下では、プラットフォームシステムと全体的なソリューションを受け持つ企業が力を発揮している。仕事を終えて家に帰れば、スマートドアロックが自動的に解錠される。部屋に入れば、エアコンがすでに作動していて快適な室温だ。給湯器も自動で起動しており、気持ちよい温度の水で手を洗える。

 2016年には2600億元(約5兆2059億円)だった中国のスマートホーム市場規模は、2021年には5800億元(約11兆6133億円)にまで拡大した。年平均成長率は20%近くだ。2025年までには、浙江省のスマートホーム産業チェーンだけで年間生産額が5000億元(約10兆115億円)に達する見込みだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News