■全員が防寒着着用

 北欧地域には「悪い天気などない、着ている服が悪いだけ」という有名なことわざがある。これを体現するかように、プレスクールでは、子どもから大人まで、全員が防寒着を着て出掛ける。

 しかし、たとえ氷点下10度であっても、一日中外にいることは本当に理にかなっているのだろうか?

 この問いにプリスクールの関係者らは「かなっている」と口をそろえる。屋外で過ごすことで子どもたちは自信を付けることができ、病気になることも少なくなるというのだ。

 1920年代には、免疫システムを強化するために乳児を屋外で寝かせるべきと、あるアイスランドの医師が提唱した。現在、北欧諸国ではこの習慣は一般的となっており、医学界からも反対の声は特に上がっていない。

 英国教育研究学会(BERA)発行の学術誌「British Educational Research Journal」に2018年に掲載された研究論文によると、屋外型のプリスクールでは遊び以外でもさまざまな場面で協力する必要性に迫られるため、その結果、子どもたちのチームワーク力が向上するという。

 オルゴーさんは、「屋外では自主的にさまざまな解決方法を試す」とし、これがお互いの衝突を回避する助けになっていると話す。

 また「少し高い木に登ってしまった場合でも、そこに(いざという時には頼れる)大人がいることを知っているから、子どもたちは自分の力でどうにかしようと、もう少しだけ努力する。そして『自分はできる』という気持ちを持って成長していく」と語る。

「そうした経験から、子どもたちは助けを求める前にもう一度挑戦する力を得て、強くなれる」と説明した。

■贈り物

 都市部の保護者にとって、子どもが屋外で過ごすことができる時間は貴重だ。

 プリスクールに通うゲオルクくん(5)の母親リーネ・フォルクハンマーさんは、「首都のコペンハーゲンに住んでいるが、都会なので自然環境にはあまり恵まれていない。(屋外で過ごす時間は)子どもにとってかけがえのない贈り物となっている」と述べる。

 さらに、子どもたちが屋外で活動することにより、保護者にもちょっとした「ボーナス」が出る。

 フォルクハンマーさんは「森から帰ってくると、息子はもうすっかり遊び疲れています」と笑顔で説明した。(c)AFP/Viken KANTARCI in Solna and Camille BAS-WOHLERT in Ballerup