【7月1日 AFP】フランスで17歳の少年が警察官に射殺された事件への抗議デモが4日目の夜に突入する中、サッカーの同国代表は30日、主将のキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)をはじめとするメンバー個人のSNSアカウントで、暴動をやめて「対話と再建」に応じるよう呼び掛けた。

 レ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)は、同国リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)でプレーするエムバペがSNSに投稿したコメント文で、「暴力の時間は、追悼と対話、そして再建の時間へ移る必要がある」と訴えた。

 チームは「ナエル・Mさんのむごたらしい死に衝撃を受けた」としつつ、こうした暴動をやめて「他の平和的かつ建設的な自己表現法」へ移行することを求めた。

 6月27日にパリ郊外で交通取り締り中にナエルさんが警察官に射殺された後、フランスでは警察との衝突が多くの都市や地域を揺るがしている。

 仏代表チームは「この悲劇的な事件以来、われわれは民衆の怒りが示されるのを目撃してきた。その言い分は理解できるが、やり方は容認できない」と主張。選手たちは「これらの痛みと悲しみの感情」には同調するとしながらも、「君たちが破壊しているのは君たちの所有物、地域、都市、そして君たちが満たしてきた場所だ」と自制を求めた。

「この極度の緊張感の中で、われわれは黙っているわけにはいかず、市民としての自分たちの意識は、融和、自覚、そして結果への責任を求めるよう促している」

「平和的で建設的な自己表現方法は他にもある。そこにこそ、われわれのエネルギーと思考を集中させなければならない」 (c)AFP