6月28日午後、ソウル市江南区清潭洞のある寿司おまかせ食堂(c)MONEYTODAY
6月28日午後、ソウル市江南区清潭洞のある寿司おまかせ食堂(c)MONEYTODAY

【07月01日 KOREA WAVE】これまで予約が取れなかった韓国の高級おまかせ寿司店で閑古鳥が鳴いている。東京電力福島第1原発事故の処理水の海洋放出を控え、水産物に対する不安から、魚介類が売り物の飲食店の人気が急降下しているようだ。

6月28日昼、ミシュランガイドでも紹介されたソウル市江南区(カンナムグ)清潭洞(チョンダムドン)の高級寿司レストランは、昼食の時間帯なのに9席のうち3席が空いていた。シェフは「1~2カ月前から予約が減り始めた」と嘆いた。

30代女性客は「かつては1カ月前から予約戦争をしなければ入れなかったのに、今は前日でも予約できる」と話す。

清潭洞で別の高級おまかせ寿司店を経営する男性は「5月から景気低迷と汚染処理水放出の話題が相まって売り上げが40%以上減った。2019年のノージャパン運動以後、最大の危機だ」と悔しがった。店はオープンして8年目。以前は1週間前の予約が必須だったが、最近は当日の入店も可能だ。

常連客がいない新しい店は10%割引や酒類の無料提供といったイベントで客を集めている。10万ウォン(約1万1000円)だった夕食コースを5万9000ウォン(約6460円)に大幅割引する寿司おまかせ店も出てきた。

刺し身屋も直撃を受けている。ソウル市城東区(ソンドング)の店の経営者は「先月は行列もできていたのに今月は売り上げが半分以上減った。周辺では業種変更を準備する店もある」と話した。

誠信(ソンシン)女子大学消費者学科のホ・ギョンオク教授は「狂牛病の時に米国産牛肉を食べなくなったように、健康への懸念から2~3年は不安心理が続くだろう」とみている。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News