【6月30日 AFP】ウクライナを訪問したスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんは29日、ウクライナ南部にあるカホウカ(Kakhovka)水力発電所ダムの決壊を「エコサイド(大規模環境破壊)」と呼び、国際的な対応が不十分だと非難した。

 トゥンベリさんは、首都キーウでウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク(Andriy Yermak)長官と会見に臨み、「エコサイドや環境破壊が戦争の一形態であることを、ウクライナの人々は痛感しているだろうし、ロシアも同じだろう」「だからこそロシアは環境や生活手段、住まいを意図的に狙い、暮らしを破壊している」と述べた。

 ロシアの支配下にあるダムの決壊をめぐっては、ウクライナがロシアが爆破したと主張する一方、ロシアはウクライナが砲撃したと主張している。

 トゥンベリさんはダム決壊への「世界の対応が十分とは思えない」と批判。「こうした大惨事の被災者が直接語り、現地で何が起きているのかについて情報共有する場を増やす必要がある」「私たちはこのことについて発言し、意識を広め、情報を共有するために手を尽くさなければならない」と述べた。

 トゥンベリさんは、ウクライナ侵攻の環境への影響を調査する国際派遣団の一員としてキーウを訪問。ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領とも会談した。(c)AFP