子どもの心身の健康を守るため、中国重慶の女性警察官が「木の洞お姉さん」に変身
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【7月1日 CGTN Japanese】中国南西部の重慶市碧山区公安局の女性警察官である張耀元(Zhang Yaoyuan)さんはこれまでに、職場で子どもらから1423通の「手紙」を受け取りました。それぞれには子どもの「秘密」が書かれています。彼女は、子どもから親しみを込めて「木の洞お姉さん」と呼ばれています。
碧山区の5つの小中学校には、それぞれ人工の「願いの木」があります。木には洞があって、子供たちの心の声を聞き届けて願いを秘かに叶えてくれるとされています。碧山区の5つの学校の生徒は2年前から、親や教師に言いたくない願いごとを手紙に書いて、この木の洞に入れています。
「木の洞」活動の発案者は警察官の張耀元さんで、最初は偶然のきっかけだったとのことです。張さんは碧山区大興派出所での勤務を始めたばかりだった2021年のある深夜、7歳ぐらいの女の子が一人で路上をさまよっていると市民から通報を受けました。張さんが現場に到着しても、女の子は会話を拒否して誰とも意思疎通をしようとしませんでした。張さんは女の子を近くの小学校の当直室に連れて行来ました。女の子は周囲を見回して誰もいないことを確認すると、張さんの懐に飛び込んで泣きました。そして「パパとママは離婚した。パパは夜遅くまで配達の仕事をしている。パパはすぐに腹をたてて、私を叩いたり叱ったりする」と言いました。張さんは女の子を強く抱きしめて、泣きじゃくるままにしました。張さんは女の子の父親に連絡を取り、じっくりと話をしました。最後に父親は、「これからは、必ずこの子を大切にする。叩いたり怒鳴りつけたりはしない」と誓いました。
碧山区の5つの小中学校では過去2年間で「木の洞」活動を通じて、学校での揉め事86件が解決され、退学してしまった生徒8人の復学に成功し、自殺願望があった生徒9人を救い、98件の学校の潜在リスクや398件の家庭の潜在リスク、132件の心理リスクの問題を解決したとのことです。
「木の洞」には現在も子どもからの手紙が次々に寄せられています。そして、より多くの「木の洞お姉さん」がこの活動に参加して、子どもらの「秘密」とその成長を守っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News